牡丹

整理をしていたら、こんな物が見つかった。牡丹の下絵である。下絵なので当然のことながら、サインも落款も無い。誰が描いたのだろう。
津軽塗資料館に祖父の田中正雄(1898~1954)の製作した錦塗の箪笥がある。錦塗の崩しと言おうか、アレンジした図柄が描いてある。あの牡丹の花を思い出させるものがある。とすれば田中正雄の手によるものだろうか。実物を写生したのだろうか。あるいは手本のようなものを写したのだろうか。下絵を起こし構図を思案して実作に取り掛かる。ある種、作家のような作業を思い起こさせる。これは捨てられない。

津軽塗、ニューヨークへ

昨日、弘前大学の塚本教授がお見えになり、ニューヨークで開かれる「青森いいもの展」に出品する津軽塗をセレクトしてもらった。ニューヨーク青森県人会が窓口になり、天理ギャラリーで津軽塗・ブナコ・コギン刺し・打ち刃物・こけし等が4月6日から12日まで展示されることになった。以前にも松浦会長が津軽塗の箸をニューヨークに持って行って青森県人会のイベントで売っていただいたことがあったのだが、ギャラリーで津軽の工芸品が一堂に揃うのは史上初ではないか。ニューヨーカーの反響や如何に。

画像は渡米する津軽塗たちである。奥から時計回りに唐塗赤上丸重箱(12,960円)紋紗塗扇型銘々皿(37,800円)七子塗丸浅盆(21,600円)唐塗赤上ドレッシングボウル(6,480円)唐塗長手盆(19,980円)

 

残雪どころでは

もう雪掻きはしなくていいかと先日のブログに書き込んだが甘かった。昨日一日いっぱい降り積もって今朝はこの雪である。6時45分から倅と二人で雪かたずけだ。こういう時は男手が一人いるといないとではと全然違う。
そう言えば昔、父が「息子」というよりも「倅」という方がいいと言っていたことがある。どういう場面でどういう文脈だったか思い出せないが、何故か記憶に残っている。往々にしてよく分からなかったことの方が疑問として記憶の襞に残ることがあるものだが、息子も倅も同じ意味だ。倅の方がへりくだった言い方だが、そこが父にとってしっくり来たのかも知れない。いずれにしても津軽の春はまだ先だ。

残雪

さすがに3月ともなると駐車場の雪も消えて来た。今日も最低気温は―5度だが最高気温は4度まで上がった。アスファルトの路面も乾いている。週間天気予報には雪だるまのマークもあるが、さすがに雪掻きはしなくて済むと思う。
しかし、雪が無くなると今度はホコリだ。もうすぐ如雨露で水を撒いて箒で店の前を掃く季節になる。春はもうそこだ。

花巻で村上善男展

盛岡のSさんから電話があった。珍しい、久しぶりだと思いながら出ると、花巻の萬鉄五郎記念美術館で没後10年『村上善男展』が開かれているのはご存知ですかという。もし来場するのなら時間を合わせて落ち合いましょうという提案だった。ありがたいものだ。村上先生がご存命だったころ盛岡から弘前まで先生を車に乗せて、よく来てくれたものだ。亡くなってから田中屋画廊で村上企画展を開催した時もよくいらしてくれた。
先日、東京にいる一番弟子のMさんも展覧会には行くという手紙が来た。私の方も何人かの教え子さんたちにお知らせを出した。まるで村上先生が空の上の方から采配を振るっているかのようだ。忘れてくれるなと思いだしてよと。こういう縁もありがたいものと思う。

名残り雪

店の前の踏み石に今朝の雪が少し残っている。二月も明日で終わり、明後日からは三月だ。日差しも心なしか温かいような気がする。
今年は青森よりも弘前の方が雪が多かった。普通の年であれば青森の方が弘前の倍くらい積もるのだが、今年は逆だった。
「田中屋さん、今年は雪が多かったから、桜まつりは開花が遅くて丁度良くなるんじゃない」と久しぶり会った知人に言われた。そうあってほしいものだ。もうすぐ春だ。

北奥氣圏

総合文芸同人誌『北奥氣圏』12号がようやく刊行になった。特集は《北の作法》ということで、前主宰の船越素子さんからの勧めもあって、私は村上善男先生の語録である『村上善男ノート』を出した時のいきさつを書くことにした。思えばもう11年前の話だ。
実弟の村上正男先生に送ったところ、過分なお手紙を頂いてしまったので紹介したい。
「封を開けて宋朝の活字を見て、ふるえるほど感激しました。村上善男が蘇ったような気がしたからです。(略)善男の拘りをそのまま引き継いでくださる方々が弘前いらっしゃることに、感激を覚えずにはいられません」
全体の装幀の話で、私の手柄ではないのだが、これほどまで喜んでいただけたことに驚愕した。兄に対するリスペクトももちろんあっただろうし、自身の教育者としてのビヘィビアもあっただろうが、ともあれ、このことだけで12号を刊行した意味があったと思いたい。まだ、青森県内の書店には並んでいないが、田中屋に来ていただければご覧になれます。

(864円)

インスパイア

男性2人が熱心に漆器を見ている。事務室に戻ってからまた店頭に来てみると、まだ話しながら菓子器や茶筒を選んでいる。買物が終わった後で聞いてみると、お一人は大阪からでもうお一人は神戸からだそうで青森県は初めてだという。飛行機で帰る前にもう一度見ていくかと2階へ上がって見たのがこの堆漆硯箱(ついしつすずりばこ)である。漆を何重にも塗り重ねた物を彫刻刀で彫り込んで断層を模様にしたものだと説明をする。漆の塊ですと言うと、その表現は全くだと褒められた。見ているとインスピレーションを掻き立てられるようだと言う。思わずお目が高いと膝を打った。価値を分かっていただけることは知己を得たような嬉しさがある。

(26×20×5㎝ 475,200円)

誕生日いや三回忌

今日はKさんの誕生日だ。ご存命であれば63歳になっただろうか。しかし、今年は三回忌に当たる。
今日はお母様からご自宅に招かれている。Kさんと親しかった友達の内の一人として。仏壇の前で呑んでお話してくれればKも喜ぶだろうという親心である。Kさんとは弘前青年会議所で出会って、かれこれ30年以上の付き合いになる。一緒に街づくり運動もやった。中でも弘前市吉野町の巨大な煉瓦倉庫を美術館にしようと活動したことは最大の思い出だ。今から考えれば途方もない話だが、あの時は景気も良かったし、若かったし、Kさんと一緒に皆でやれば、どこまでも歩いて行けそうな気がしていた。
Kさんはマクロビオテックや玄米正食のインストラクターだったのに、一番長生きしなければいけない人だったのに、60を前にして逝ってしまった。
画像はKさんから紹介された自然海塩だ。今でも津軽塗の田中屋の店頭に置いている。

(500g 1,296円)

トリプルペン

先日、三重県の方からご注文を頂いた。ボールペンがご希望だったのだが、ホームページのカタログにはこのトリプルペンという青・赤のボールペンとシャープペンシルが出て来る新製品が掲載されていなかったので、デジカメで映してメールに画像を添付して送ったのだ。素人写真ではあるが、気に入って頂いて注文につながった。青森県から三重県まで情報の交換が完了したのは30分もかからなかった。一昔前なら考えられなかったことだ。
もし、ご希望があればいつでも在庫の製品を画像でお届けいたします。

(13㎝ ¥3,024)