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閉店のお知らせ

拝啓 津軽では朝夕に涼味を覚える頃となりましたが皆様方には益々ご清祥のことと推察申し上げます。この度、田中屋は諸般の事情により閉店することとなりました。
長年にわたりご愛顧を賜りまして、また格別のご配慮を賜りましたことに改めて心よりお礼申し上げます。大変ありがとうございました。末筆ながら益々のご清祥をお祈り申し上げます。
敬具

平成29年8月吉日

株式会社 田中屋
代表取締役 田中久元

*画像は津軽塗の定盤(じょうばん)漆のパレット

団扇に浴衣

ついにネプタの季節がやって来た。
高校の同級生がご子息を連れて来店した。ご子息と言っても父よりも上背のある立派な若者である。草履に白足袋、浴衣の上には土手町と大きく記した黒半纏を羽織った中々のいでたちである。気合が入っているのがにじみ出ている。
前回のブログで採り上げた団扇を上げたら喜んでもらえた。丸竹を裂いて紙を貼った本物の団扇は浴衣と黒半纏に似つかわしい。夏の日のプレゼントとしてはぴったりだと思った。
明日からお買い上げの方に団扇をプレゼントしようと思う。

団扇

最近はプラスチックの団扇をよく見かけるが、これは本当に竹を裂いて紙を貼った物である。扇ぐと竹のしなりで、冷風が生じる。冷房や扇風機とは違った趣がある。
隣に座っている子供を扇いであげると、気持ちよさそうに眼をつむる。寝ていても団扇の動く親心という句があったなぁ。日本の夏もいいものだ。

900円(税込み)

素朴

今年も日本民芸協会の「夏季学校」の季節になった。和紙っぽい風合いの紙に木版画調で刷られたポスターは中々雰囲気がある。素朴というか、いかにも民芸である。
タイトルも決して洗練されたものとは言えず、いやむしろ稚拙と言われそうな字体だが、そこが親しみを感じさせてまたいいのである。そういえば百術は一誠に如かずという言葉があった。

花咲く

雑草という植物は無いということだが、黄色い5弁の花をつけた。今朝も水を撒いて気が付いたのだが、健気なものである。直径、僅かに1センチ、小さいながら、しっかりとした完成形である。中央には花弁も見える。
花は咲き咲て成就、葉は散り散りて成就。

雑草、花

店の郵便ポストの前のコンクリートの割れ目から、クローバーのような雑草が生えて来た。何と小さな黄色い花を咲かせているではないか。今朝も水撒きしたから、私が育つのを助けて来たようなものだろう。
コンクリートの僅かな隙間に土があり、そこから生えて来たのだ。土、土壌とは植物の死骸なのだという。人間も土に還るという言葉があるが、命の営みはこんなところにもある。

白布の建物

向かいの公園にねぷた小屋が建った。8月1日からねぷたが始まる。もう一月とちょっとだ。
津軽地方は梅雨入りしたのだが、ここしばらくは雨はふっていない。日中は日差しが強く暑いくらいだが、朝夕はまだ涼しいというか寒く感じるときすらある。5月はあんなに暑かったのに、6月に入ってからは涼しいものだ。田んぼに水が入ると涼しくなると良く聞いたことがある。それでも確実に季節は移っていく。

ハンディキャップ

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聾学校の生徒さん数名が見学に来た。津軽塗の出来るまでを塗見本を見せながら、説明をする。それを引率の先生が手話で伝える。短いフレーズで簡潔に言わないとと心がけた。結構、飽きずに聞いてくれた。
その中に中学生くらいだろうか、小柄で可愛らしい少女が立っている。勿論一言も口を利かない。右目は普通の黒い瞳だが左目は水色だ。眼にも障害があるのだろうか。中学校の同級生に同じ色の瞳をした子がいた。彼も片方の眼は視力がかなり低かった。
聾唖というだけできついハンディキャップなのに。聞くこともできないし尋ねることも出来ない。行く末の幸せを祈らずにはいられなかった。

会えなかった祖父

昨日は祖父・田中正雄の月命日だった。私が生まれる2年前に亡くなっているので、会ったことはない。真面目で腕の良い職人だったという。
連れ合いの祖母・さたが嫁に来た時に「役者のところに来たのかと思った」と孫の私は聞かされた。子供だった私はそのまま何気なく聞いていたのだが、今から考えてみれば明治の女性にしてはかなり大胆なノロ気だったのではないか。他の大人には勿論言うはずもなかっただろうが、何も知らない幼子に、心の内を言ってみたのだろうか。
親の若いころは勿論知らない。まして祖父祖母ともなれば全く分からない。彼彼女らはどういう思いで毎日を暮らし、どういう思いで一生を過ごしたのだろう。

蛇口が付いた津軽塗

津軽塗の焼酎サーバーである。勿論ウイスキーでもバーボンでもOK。グラスを置いてコックをひねると好きな分量のお酒をスムーズに注げる。パーティーなんかで披露すれば話題独占は間違いがない。木地はガラス製なので洗う時も簡単である。ガラスに塗れる漆が出来て津軽塗の幅が大分広がった。以前はガラスに薬剤を吹き付けてスリガラス状態にしないと出来なかったのだが、伝統工芸も進化しているのだ。

(直径15cm×高さ31.5cm 45,360円)