ワイングラス

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晩酌にワインを飲むようになって何年たっただろう。ご多分にもれず最初は白だった。日本酒に近い感覚で飲めたから。しかし飲んでるうちに段々と赤の方がよくなって来た。ワイン好きの友人に言わせると「舌が出来てくる」のだそうだ。ただ意外と困るのがツマミである。しめ鯖に赤ワインとはいかない。どうしても和食が多いので、赤ワインに合うツマミが無い。チーズばかり食べてるわけにもいかないしと思案していたら、飲み友達がフランスパンがいいと言う。
早速フランスパンにオリーブオイルを付けて食す。パンだけだとぱさぱさするが、オリーブオイルを付けるとこれはワインにぴったりだ。これはいいと、毎晩パンを食べていたら太って来た。今まで夕食にご飯は食べなかったのだが、パンは米と一緒の炭水化物だから、体内で消化すると糖分になる。このせいだった。という訳で折角見つけたこの方法も止めることになった。誰かワインに合う体にいいツマミを知らないだろうか。

(津軽塗ワイングラス 21.5×7.5cm 8,640円)

村上スクール

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東京から古希を迎える女流作家が訪ねてきた。実はこの方は現代美術家の村上善男の仙台時代の教え子で、10年前に村上先生が亡くなった後に『村上善男ノート』という村上語録を私が自費出版した時のご縁で、文通状態が続いていたのだ。いつか弘前を訪れたいということを仰っていたが、今回実現した。同じく村上先生の薫陶を受けたK先生にも同席してもらって、しばし村上先生の懐旧談に花が咲いた。岡本太郎の言を守って東北から東京に出て行かなかったこと。パリでの卒業旅行の思い出。とにかくかっこよかったと教え子は言う。
村上先生が岡本太郎を師と仰いで通ったことを「学舎を持たない岡本スクール」に学んだと表現したが、その言葉はそっくり村上善男に当てはまる。「学舎を持たない村上スクール」の同窓会が村上先生のデザインした珈琲『北奥舎』で、たった3人ではあるが、今開かれているように思えた。10年の時を経て。

(釘打図  村上善男作 田中屋2階に展示されている)

天守閣と岩木山

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島根県の松江市から大学時代の親友のHさんが来た。業界の全国大会が弘前で開催されたとのことで、何年振りかの旧友再会となった。今や全国的に有名になった弘前城天守閣の曳家を見学に行く。下乗橋から見上げると、あるはずのところに天守閣が無い。小学校に時に写生したこともある石垣の上は真っ青な空が広がっている。これは弘前っ子にとっては実に不思議な光景である。異次元ワールドに紛れ込んだような気がする。本丸に登ってみると中ほどに天守閣が鎮座している。西の方に目をやると岩木山が見えた。好天に恵まれ紅葉したいい姿である。天守閣の移動を見たせいか、いつも以上に安堵感を覚えた。

朝の挨拶

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今日も5時過ぎにカラスの襲来である。糞が乾く前に水を撒いてブラシでこすったのがこの状態である。本番の清掃は開店1時間前の9時からである。水を撒いていいたら年配の奥様に話しかけられる。お宅もカラス(の糞)で大変ですねぇと、思わず前に比べれば良い方ですよと答える。
一番町側に回ると作業服を着た数人が通りかかる。如雨露を止めると。弘前地区電気工事協同組合の方々である。知り合いのSさんがいたので、おはようございますと挨拶をする。すると「素晴らしい」と言われた。今時、如雨露で水を撒いている行為を褒められたのか、よく分からない。ともあれ大袈裟な表現とは思わないでもないが、朝から良い言葉を掛けられたものだ。

郵便ポスト

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朝、店の前を掃いていたら、自転車を引いた年配の方から訊かれた。このポストは現役ですかと。そうですよと答えると、笹との風情が微妙にいいと褒められた。
20年以上前の話を思い出した。切手売りさばき所を引き受けて間もないころ、郵便局からこの丸形から角形に取り換えたいという話があった。箱型ポストは中に郵便物を貯める袋を吊るし、それを交換するだけで収集できるのに対し、丸型ポストは小さな取出し口から郵便物を手でかき出す手間がかかるため順次更新したい意向であった。しかしうちの店は津軽塗という伝統工芸を生業としてきた店だ。ポストが田中屋に移ったら、古い丸形から新しくなってしまったと言われたらは心苦しいから、残してくれないかとお願いした。郵便局も配慮してくれて現在も昔のままの姿を留めている。可愛いと記念撮影をする観光客さえいて、ささやかな観光スポットになっている。

秋到来

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店の前の桜の樹が紅葉して来た。今日から「弘前城 菊と紅葉まつり」が開幕する。毎朝、店頭を掃いていると、塵取りに枯れ葉が増えてきた。着実に秋は到来している。1週間後には島根県の松江から大学時代の親友が来るのだが、その時に紅葉は残っているだろうか。弘前城内や里の話ではない。旧友は山男なのだ。せっかくの機会だから八甲田山を縦走したいという。山頂は先日、すでに初冠雪を記録している。20数年前に弘前に来たときは岩木山に登った。今度は八甲田山だという。無事にいい登山になればよいのだが。

西海岸

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奥羽本線を特急「つがる」に乗って弘前から秋田県の東能代まで、ここからJR快速「しらかみ」に乗り換えて青森県西海岸へ。列車に乗るためだけの息子と二人の小旅行だ。写真は深浦あたり。多分、津軽平野という山に囲まれた盆地に生まれ育ったたせいだろう。海を見ると遠くに来たなぁという気がする。リュックから文庫本を取り出し、缶ビールの封を切る。陽はまだ高いが列車の中だ。咎められることも無い。車両の振動さえ心地よく感じる。
あそこの雲はバルビゾン派の描きそうな雲だ。北前船が往来していたころの賑わいは凄かったんだろうとか、妄想が雲のごとく湧いてくる。一瞬の非日常空間。

10.13夜間空襲

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未明の4時、100羽を超える今年最多のカラスが飛来。すでに路上には200発近くの糞の被弾。しかもいつもの爆撃が250㎏爆弾だとすれば今回のは500㎏級である。水の腐ったような臭気も発生している。今年、最大の被害規模だ。何はともあれ乾かないうちに早速に汚染除去作業にかかる。使用した水はいつもの3倍、つまり如雨露で3回も要した。不幸中の幸いだが路面が雨で濡れていたので作業ははかどり1時間弱で作業は終了できた。しかしこれが毎日続くとなると頭が痛い。

禽獣

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またカラスが襲来した。今朝は5時と遅く起きてしまったので数十発の糞の着弾を見舞った。毎朝毎朝、人の店の前によくやってくれるものだ。「禽獣のような輩」という言葉を思い出したが、禽獣そのものであった。地面がアスファルトでなければ水を撒いてブラシでこすることも無いのにと思った。考えてみれば人が暮らして街が出来なければカラスは樹に停まってるはずで、カラスは樹を住みかとして恩恵を受けてた訳で、カラスの落とす糞は地面に落ちて樹の栄養分となるはずだった。昔カラスと樹はウインウインの関係だったと考えられる。そこに人が現れて山の樹々を切り倒してしまった。ネグラを追われたカラスは街に出てきて、このような事態に至ってしまった。カラスばかりを責めるわけにもいかないのかもしれない。

寿々喜塗

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寿々喜塗(すすきぬり)の仕掛けをしている場面である。下地が終わり、ススキの模様を1本1本カーブしたヘラで描いていっているのがおわかりになるだろうか。これは小店のトレードマークでもありS工房長の得意技でもある。良く筆で描いているのかと聞かれることがあるが、この上に何回も漆を塗り重ねて、最後に研ぎ出して現れるのがススキの線なのだ。
以前に資料館に来たお客様からこのままでいい、途中でいいと言われたことがあった。ビックリしたが、でこぼこで扱いにくいよねという話で落ち着いたが、なるほどこれはこれで結構きれいだと改めて思った。

(33.5×24.5cm 27,000円)